要旨:

 クウォンタム・ラビット(QR)が実施した様々な元素に関する低エネルギー核反応(融合・分裂反応)は、このプロセスが放射性廃棄物を削減させることにも応用可能であることを示唆する。ニュー・エネルギー・ファウンデーションの融資を受けメイン州オールズ・ヘッドのQR研究所で行われた実験でQRの研究者たちは、鉛がリチウムと金に分裂するという低エネルギー核分裂反応に成功した可能性がある(204Pb7Li + 197Au)。この反応はリチウムが硫黄と融合することでカリウムが生成されるという低エネルギー核融合反応により誘発された可能性がある(7Li + 32S19K)。これらの結果はそれ以前において発現していた低エネルギー核融合・分裂反応を確認するものである。さらに、ホウ素を用い続けて行われた実験において、その元素が酸素と融合することでアルミニウムが、硫黄と反応することでスカンジウムがそれぞれ生成されるという低エネルギー核融合反応が発生した可能性が示唆される。それと同時にQR研究者たちは、真空と外気それぞれの状況下でカーボン・アークを使い、炭素の原子転換と思われる核反応を引き起こした。このプロセスを応用することでウラン235、プルトニウム239、ラジウム226と分裂生成物のセシウム137、ヨウ素129、テクニチウム99、ストロンチウム90の放射性崩壊サイクルが加速するとともに、放射性同位体が人間の健康と自然環境にもたらす脅威を長期的に低減できる可能性がある。







ウラン235

 原子炉内に貯蔵されたウランに加え、世界にはおよそ2千トンにものぼる高濃縮ウランが存在し、その大部分は核兵器と軍艦の推進エンジンに使われ、わずかに残る分は研究用に使われている。ウラン235の半減期は7億年以上である。放射性崩壊の最初のステップはウラン235のトリウム231へのα崩壊であり、この過程で半減期間の大部分を経ることになる。トリウム231に続き生成される同位体の半減期はおよそ33千年であり、崩壊過程の帰結は安定同位体の鉛207となる。

 

 QR研究が示唆するところ、ウランの放射性崩壊プロセスに介入することで同元素から鉛への原子転換を達成するのに必要とされる時間を削減することができる可能性がある。介入がもっとも容易であるのは崩壊プロセスの最初にあり、ウラン235をより軽い同位体の一つへ分裂させることで可能となる。次に記述される低エネルギー核分裂反応の触媒として上述した実験内の触媒元素リチウムをここでは提唱する。

 

235U → 7Li + 228Ac

ウラン235 → リチウム7 + アクチニウム228

 この仮説によれば、リチウムと硫黄の低エネルギー核融合の結果カリウムが生成され、その反応を通じウランがリチウムとアクチニウムに核分裂する。核融合反応は次のように記述される。


7Li + 32S 39K

リチウム7 + 硫黄3239カリウム

 この反応プロセスは上図に要約されている。これが可能であるならば、下図に示されているアクチニウム228に始まり鉛208に終わる(放射性)自然崩壊サイクルが起動したことになる。注目すべきは、LENRを通じたウラン235の分裂とその生成物であるアクチニウム228は、結果的にウラン235が崩壊プロセスを経ることでトリウム232の自然崩壊プロセスに入ったことを示す。

 仮に予想どおりアクチニウム228が生成され、図2に示された自然崩壊プロセスが駆動したとすれば、ウラン235の半減期が7億年からわずか1.9年程度に圧縮されたことになる。この過程は次の公式で要約できる。

 

235U → 7Li + 228Ac → 208Pb

ウラン235 → リチウム7 + アクチニウム228(トリウム232崩壊サイクル)→ 鉛208

プルトニウム239

 使用済み核燃料に占めるプルトニウム239の量は膨大である。

 


使用済み核燃料の1立法メートルトン当たりの構成比

955.4kg ウラン

8.5kg プルトニウム(5.1kg プルトニウム239

0.5kg ネプツニウム237

1.6kg アメリシウム

0.02kg キュリウム

38.4kg 分裂生成物

 

分裂生成物

10.1kg ランタノイド

1.5kg セシウム137

0.7kg ストロンチウム90

0.2kg ヨウ素129

0.8kg テルル99

0.006kg セレニウム79

0.3kg セシウム135

3.4kg モリブデン同位体

2.2kg ルテニウム同位体

0.4kg ロジウム同位体

1.4kg 鉛同位体

出典: James Laidler, Development of Separations Technologies Under the Advanced Fuel Cycle Initiative. Report to the ANTT Subcommittee, December 2002.


 LENRを活用することでプルトニウム239の崩壊サイクルを圧縮することも可能であるかもしれない。プルトニウム239の半減期は24千年である。要旨で指摘したように、QR研究グループはホウ素の低エネルギー核融合において有望な結果を残した。QR実験と同様、プルトニウム239削減を目指す一連の実験は、ホウ素を触媒とすることで実施可能である。我々が提案する低エネルギー核分裂反応は下記の通りである。

 

239Pu 11B + 228Ac

プルトニウム239 → ホウ素11 + アクチニウム228

 

 この核分裂反応は理論上、幾つかの低エネルギー核反応により引き起こされたものである。

11B + 16O 27Al

ホウ素11 + 酸素16 → アルミニウム27


11B + 34S 45Sc

ホウ素11 + 硫黄34 → スカンジウム45

 再度指摘しておくが、仮にこうしたLENRを通じて先述した公式でウラン235と同様、アクチニウム228を生成することが可能であるならば、プルトニウム239はトリウム232の崩壊連鎖の流れにのり、最終的に安定同位体である鉛208が生成される。このプロセスは次の様に要約できる。

 

239Pu 11B + 228Ac208Pb

プルトニウム239 → ホウ素11 + アクチニウム228(トリウム崩壊サイクル)→ 鉛208

ラジウム226

 ラジウム226による汚染は世界中の軍事施設や用地で問題となっている。ラジウム226はウラン238の崩壊連鎖の一部であり、その半減期は1,600年である。LENRを通じたラジウム226の核分裂によりこの期間を大幅に圧縮できる可能性がある。

 カーボン・アークに関する初期のQR研究は、この可能性を現実化する方法を提供する。これまで外気と真空の両条件下で行われたLENRが多数報告されている7。こうした低エネルギー核融合の活用を通じラジウム226の核分裂反応を促せる可能性があり、それによりラジウムの半減期が圧縮され、自然崩壊サイクルが加速される結果、(半減期は)現在の1,600年から約22年になる。
 我々が提案する低エネルギー核分裂反応実験は次の通りである:

 

226Ra 12C + 214Pb

ラジウム226 → 炭素12 + 鉛214

 この核分裂反応は、QRでのカーボン・アーク実験で着目した炭素・酸素間を例とした核融合反応を通じ引き起こせる可能性がある:

 

12C + 12C 24Mg

炭素12 + 炭素12 → マグネシウム24

12C + 16O 28Si

炭素 + 酸素16 → ケイ素28

 

12C + 2(16O) 44Ti

炭素122(酸素16) → チタニウム44


12C + 32S 44Ti

炭素12 + 硫黄32 → チタニウム44

212C + 16O) → 56Fe+2protons

2(炭素12 + 酸素16) → 鉄56(+ 2陽子)

セシウム137

 核分裂生成物であるセシウム137は使用済み核燃料の主要な核種の一つである。エネルギー省の環境管理用地にとって大きな関心事であり、半減期は30年、崩壊時にはβ粒子を出す。その崩壊生成物のバリウム137mmは準安定を意味する)は、エネルギー性のγ線を出すことで安定し、半減期はおよそ2.6分である。セシウム137が放射能の危険があるとされるのはこの崩壊生成物に起因する。

 セシウム137が有する環境に対する危険は、日本の福島第一原子力発電所で発生した危機で明らかとなった。米国科学アカデミーに寄せた報告書の中で科学者の国際的な一団はセシウム137が有する脅威を次の通り報告している:

 福島第一原子力発電所から排出されたセシウム137の堆積と土壌汚染に関する最大の懸念が2011311日の巨大大地震の後浮き彫りになりました。半減期31.1年のセシウム137が最大の懸念である理由は、農業および牧畜業への有害な影響と今後何十年にもわたる人間生活に対する影響にあります。セシウム137で汚染された土壌の除去あるいはそれが不可能な場所での土地利用制限が喫緊の課題ということになります。

セシウム137による汚染はチェルノブイリ原発事故に続く大きな問題となった。ジョン・エムズリーは次のように述べている:

 

 原子炉内のウラン燃料棒がセシウム137を生成します。セシウム137の半減期は30年であり、それ以前の水準である1%にまで(半減期を)下げるためには200年以上かかることになります。このため、原子力発電所での事故は何世代にも渡り環境を汚染することになり、また、1986年にウクライナで起こったチェルノブイリ原発事故が環境に及ぼした災害は多大なものでした。大量のセシウム137が排出され、風に乗って西ヨーロッパ中に飛散し、事故現場から1,500マイル以上も離れた西方のスコットランド、アイルランド、ウェールズの羊牧場に影響を及ぼしました。そこで豪雨により地面に落ち、植物の根により吸い上げられ、羊が食べる植物の一部となりました。

 LENRを活用することでセシウム137を安定的な非放射性同位体であるテルル130に転換し、セシウム137の崩壊サイクルの方向性を変え、同サイクルを圧縮できる可能性がある。LENRを通じた核分裂の公式は次の通りである:

 

137Cs 7Li + 130Te

セシウム137 → リチウム7 + テルル130

 

 理論上、低エネルギー核分裂反応はリチウムと硫黄の低エネルギー核融合反応により誘発される:


7Li + 32S 39K

リチウム7 + 硫黄32 → カリウム39

 

 別の実験では、低エネルギー核融合反応を通じセシウム137がネオジム148にも転換する可能性がある:


137Cs + 11B 148Nd

セシウム137 + ホウ素11 → ネオジム148

 

 もし仮にこの核融合反応が証明され、産業生産レベルまで拡大することができるならば、危険な放射性廃棄物を今日ハイブリッド車の磁石に幅広く使用されている貴重なレアアース金属に転換することが可能となるだろう。

ヨウ素129

 原子炉内のウランとプルトニウムの核分裂を主として生成される長寿ヨウ素同位体がヨウ素129であり、半減期は1,570万年である。1950年代、60年代の核実験後、大量のヨウ素が大気中に放出された。ヨウ素129は環境中に長期間存在し、流動的であるため、使用済み核燃料の廃棄と管理は特に重要である。低エネルギー核分裂過程を通じ、この放射性同位体の自然崩壊サイクルを圧縮することが可能かもしれない。LENRによる核分裂反応は次の通りである:


129I 7Li + 122Sn

ヨウ素129 → リチウム7 + スズ122


 今回も理論上、リチウムと硫黄の低エネルギー核融合がこの反応の触媒の役割を果たす:


7LI + 32S 39K

リチウム7 + 硫黄32 → カリウム39

 

 実験の間、同時発生する核融合反応を通じヨウ素129はバリウム146に転換する可能性もある:


129I + 7Li 136Ba

ヨウ素129 + リチウム7 → バリウム136

テクニチウム99

 テクニチウムの放射性同位体であるテクニチウム99は、その安定同位体であるルテニウム99へ崩壊するまで211,000年の半減期を要し、最も重要で長期間存在するウラン235の核分裂生成物である。大量の生成量、比較的長期に渡る半減期、環境内での流動性のため、テクニチウム99は放射性廃棄物のなかで問題の多い元素の一つとされている。これまで大気中での核実験、原子炉、さらに90年代後半にセラフィールド発電所から環境中に放出されてきており、アイルランド海には1,000kg程度が放出されてきている。

 次の低エネルギー核分裂反応を通じテクニチウム99の半減を加速させることが可能であるかもしれない:


99Tc 7Li + 92Zr

テクニチウム99 → リチウム7 + ジルコニウム92


 今回も理論上、反応はリチウムと硫黄の低エネルギー核融合を通じ誘発される:


7Li + 32S 39K

リチウム7 + 硫黄32 → カリウム39

 

 実験の間、次の核融合反応を通じテクニチウム99はパラジウム106に転換する可能性もある:

 

99Tc + 7Li 106Pd

テクニチウム99 + リチウム7 → パラジウム106

ストロンチウム90

 セシウム137と同様、ストロンチウム90も使用済み核燃料の一部である。この放射性同位体も放射性廃棄物の半減期の中で最悪の期間である約30年の半減期を有する。ストロンチウム90は放射能が非常に高いだけでなく、何百年も続く半減期を有する。また、カルシウム同様に働き植物や動物により吸収され、骨に蓄積される。ジョン・エムズリーはストロンチウム90を次のように称している:

 ストロンチウム9020世紀半ば世界中に汚染の懸念を生み、地上で起こった核爆発実験の結果、地球全体が汚染されてしまいました。実験は1945年から63年の間に行われました。ストロンチウム90が深刻な脅威である理由は、それが最も強力な電離作用を持つ放射性物質の一つであるため、細胞分離に対し深刻なダメージを及ぼすからです。1950年代に幼児の乳歯に発見されたということは、その遍在性の高まりを示しています。空気中のストロンチウムが洗い流され地上に落ち、牛により食され、結果として牛乳や他の乳製品に変化したということでしょう。

 

 基本的な低エネルギー核融合プロセスを通じ、ストロンチウム90の問題を解決できる可能性がある:

 

90Sr + 12C 102Ru

ストロンチウム90 + 炭素12 → ルテニウム102

結論:

 この本を執筆している現時点では放射性廃棄物の問題はいまだ未解決のままである。Santa Monica Daily Pressに掲載された論評で、社会的責任を負う医師団(PSR)の全代表であるジェフリー・パターソン博士は、次のように述べた:


2011年、原子炉用地は恐ろしい年となりました。夏の洪水がネブラスカ州とアイオワ州の原子炉に迫った脅威、東海岸を次々と襲った地震とハリケーン、それに続く福島第一原子力発電所での事故は、原子炉用地の使用済核燃料に対し投げかけられた脅威の悲惨な具体例となりました。当地での使用済核燃料の命運は何日もの間、世界を憤らせました。日本の脆弱な貯蔵プールに入れられた燃料棒の量は、アメリカ国内の多くのプールに無理やり詰め込まれた量よりも圧倒的に少なかったことに注目すべきです。我々皆が学んだ通り、冷却装置の喪失は燃料棒を溶かし、大量の放射線を放出する可能性があります。

 こんな筈ではなかった。使用済核燃料は地中深くの地下貯蔵庫に永遠に貯蔵され、洪水や他の自然災害の影響を受けないはずでした。ところが、日本の放射性廃棄物の問題に対する解決策は数十年間曖昧なままであり、その一方で65千トンもの廃棄物が依然としてさまよっている状態です。」


 米国の原子力の将来に関するブルーリボン委員会は、現在米国中の70カ所に散在している使用済核燃料を当面の貯蔵場所に移動させうる提案を出しており、より深い地中の貯蔵場所を選定中である。この提案自体も物議を醸しており、パターソン博士は次のように述べている:


「使用済核燃料を国内で移動させるべきではありません。それは問題に対処するというよりも『暫定的な』施設に問題が移されただけです。では何が最善の選択なのでしょうか?核燃料をその場で石棺貯蔵することです。安全かつ費用対効果も高く、直ぐに対処できます。PSRと全米50州の170以上の公益団体がこのアプローチを要求しています。ドイツで採られた策と同様、核爆発や航空機の直撃など深刻な攻撃に耐えうる石棺建物内に原子炉の燃料を保管することが、永久的な貯蔵場所が見つかるまでの間の最も安全で合理的な選択肢だと思われます。」


 こうした提案はLENRを通じた原子転換を研究する機会を提供する。研究所は将来、建設予定の暫定的な施設にだけでなく現地の石棺施設、あるいは現在の廃棄物貯蔵所に建てることもできる。この研究所はLENRを通じた原子転換の第一次調査をスタートできる。成功した暁には、事故発生地、その周辺地域、そしてグローバルな規模での廃棄物の在庫を削減するのに必要な水準まで規模を拡大できる可能性がある。


 さらに、LENRを通じた原子転換は廃棄物加速器核変換(ATW)の効率的かつ低コストな代替策となる可能性がある。1999年、米国エネルギー省(DOE)の民間放射性廃棄物管理局は、「廃棄物加速器核変換技術開発に向けたロードマップ」と題する報告書を議会に提出した。マサチューセッツ工科大学(MIT)のSekazi k. Mtingwa教授はこの方法を次のように述べている。


「原子転換とは、ある原子の核構造を変化させることでそれを別の原子に変形することです。ここでの原子転換の意味は、放射能が非常に高い原子を高速原子炉から、または高エネルギー加速器より放出された陽子を適当な標的に当てることで生成される破砕中性子から、のいずれかを通じ放出される中性子(可能であれば高速中性子)とぶつけることです。」


 オークリッジ国立研究所(ORNL)は現在、ATW方式を調査中である。ORNLレビュー記事は次のように述べている:


「ロスアラモス国立研究所の科学者達が想像した通り、ATWには線形の加速器システムが使われ、兵器レベルの過剰なプルトニウムやほかの放射性廃棄物(例えばテクチニウム99やヨウ素129)を原子転換させるのに必要な中性子が生成されています。最終的に、廃棄物管理への分離・核変換の可能性は次の通り、すなわち、仮に放射性廃棄物の流れが存在しないのであれば、放射線医学上の危険は何らありません。それどころか、この単純な事実は近年の分離・核変換技術に対する関心を呼び起こしました。」


 他方ユーロ圏では、ヨーロッパの原子力界が高エネルギー中性子誘起核変換を研究する12億ドルの研究開発プロジェクトを進めている。その初段階において、粒子加速器と原子炉を一つにした「グィネヴィア(Guinevere)」として知られる実演システムの立上げが20121月、モルにあるベルギー原子力研究センターで行われた。ミルラ(Myrrha,高度技術応用多目的ハイブリッド研究炉)として知られる大規模な原子炉系が2023年に稼働予定である。世界原子力協会のプレスリリースは、このプロジェクトの背後にある考えを説明した:


「ミルラは放射性同位体と添加シリコンを生成することができるだろう。だが、その研究目的は核変換(原子転換)の研究に非常に適している。半減期が長いある種の放射性同位体が中性子を『キャッチ』することでより素早く放射性崩壊し、放射線を出さない安定した別の同位体に変化するのはこの核変換の際である。産業規模で活用できるようになれば、放射性廃棄物の半永久的な地層処分を大幅に単純化できる可能性がある。」


 クウォンタム・ラビットでは、LENRを通じた原子転換研究はスタートアップ費用12億ドルと概算されるミルラ・プロジェクトのほんの一部の資金規模からスタートできると考えている。(フィージビリティ・スタディに120万ドル、プロトタイプ・システムの開発に1,200万ドルかかると見積もっており、それぞれミルラのケースと比較し0.1%と1%に相当する。)

 何十億ドルもの費用をかけ過度に一極集中型の処理システムを採用するのではなく、LENRを通じた原子転換技術は手ごろな価格で世界中の原子力発電所に普及させることができる可能性がある。核修復の課題は個々の原子力発電所の責任問題となり、どこか一カ所だけが一手に引き受けるのではなく、それぞれの地域の問題である。また、LENRを通じた原子転換に必要とされる力の量は、粒子加速器や原子炉を運転させるのに必要とされる量と比べ極わずかですむ。少なくとも、この原子転換研究は、現在進行中あるいは検討中の高エネルギーの中性子を通じた原子転換プロジェクトと並行して進めるべきである。そうすることで最も有望な結果を残しうるアプローチがどちらであるかが分かるだろう。

 

(『クール・フュージョン』15章より引用)

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